2026.09.17
墓じまいと永代供養の違い|初めての改葬手続きと費用の内訳

墓じまいと永代供養は、別々のことを指しています
「墓じまい 永代供養」と検索される方の多くは、この二つをひとつづきの言葉として受け取っておられます。けれども中身は別のものです。墓じまいは、今あるお墓を閉じて、その区画を管理者へ返すこと。永代供養は、取り出したご遺骨をこれから先どなたにお預けし、どのようにご供養していくかという「行き先」の話です。
順番としては、行き先が決まっていなければ墓じまいは進みません。あとで触れる改葬の手続きで、新しい受け入れ先の証明書が必要になるためです。まず供養の形を決め、それから今のお墓を閉じる。この順を押さえておくと、途中で手が止まりにくくなります。
全体の流れを、順番で押さえる

地域や墓地の管理者によって細かな違いはありますが、大きな流れは共通しています。
- ご親族に相談し、墓じまいをすることの合意をとる
- ご遺骨の新しい行き先(永代供養の形)を決め、申し込む
- 今のお墓の管理者へ申し出て、埋蔵(埋葬)の証明をいただく
- 市区町村へ改葬許可を申請し、改葬許可証を受け取る
- 閉眼供養(お魂抜き)を勤め、ご遺骨を取り出す
- 石材店に墓石を撤去してもらい、区画を返還する
- 新しい供養先へご遺骨を納め、納骨のお勤めをする
ご遺骨が複数あるお墓では、取り出してみて初めて骨壺の数や状態が分かることもあります。長い年月のあいだに土に還っている場合や、骨壺に水が入っている場合もあります。数がはっきりしないときは、先に管理者へ相談しておくと、改葬許可の申請で戸惑わずに済みます。
改葬の手続きに必要な書類
すでに埋葬されているご遺骨を別の場所へ移すことは「改葬」と呼ばれ、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)第5条により、お墓のある市区町村長の許可を受けることと定められています。許可を受けずに移すことはできません。申請の様式は自治体ごとに用意されていますので、窓口か公式サイトで確認してください。
| 書類 | どこで用意するか | 内容 |
|---|---|---|
| 改葬許可申請書 | 今のお墓がある市区町村 | 亡くなった方の氏名、埋葬の場所、移す先などを記入します |
| 埋蔵(埋葬)証明書 | 今のお墓の管理者 | そのお墓にご遺骨が納められていることの証明です |
| 受入証明書 | 新しい供養先 | ご遺骨をお預かりすることの証明です |
| 改葬許可証 | 市区町村が交付 | 新しい供養先へ納骨するときに提出します |
申請者がご遺骨の縁故者と異なる場合などに、承諾書を求められることもあります。必要書類は自治体によって差がありますので、思い込みで揃えず、最初に窓口へ確認しておくと二度手間になりません。
費用は、どこに発生するのか

墓じまいの費用は一か所にまとまって出ていくものではなく、性質の違ういくつかの支払いに分かれます。金額は、お墓の広さ、立地(重機が入れるか、階段があるか)、石の量、地域によって大きく変わります。ここでは項目だけを整理します。
| 項目 | 支払う相手 | 備考 |
|---|---|---|
| 墓石の撤去・整地 | 石材店 | 作業条件で差が出ます。複数社に見積もりを取る方が多い項目です |
| 閉眼供養のお布施 | 今のお墓の寺院・僧侶 | お勤めに対するお気持ちとしてお包みします |
| 離檀にあたってのお礼 | 今の菩提寺 | 定めのあるお寺とないお寺があります |
| 行政手続きの手数料 | 市区町村 | 自治体ごとに定めがあります |
| 新しい供養先へのご供養料 | 受け入れ先の寺院・霊園 | 形と期間によって変わります |
見積もりを比べるときは、総額の大小より「どこまで含まれているか」を見てください。整地の範囲、廃材の処分、ご遺骨の取り出し、運搬が別料金になっていることがあります。
永代供養の形を選ぶときの見方
永代供養と一口に言っても、中身はいくつかに分かれます。迷われたときは、次の四つを順に確かめると整理しやすくなります。
すぐに合祀するか、個別に安置する期間を置くか
合祀(ごうし)は、他の方のご遺骨と一緒に納める形です。費用を抑えやすい一方、一度合祀するとご遺骨を取り出すことはできません。個別に安置する期間を設けておけば、その間はお一人ずつのご遺骨としてお預かりできます。ご親族の気持ちがまだ定まっていないときは、期間を置く形が選ばれることが多くあります。
お参りに通える場所かどうか
墓じまいをする理由の多くは、今のお墓が遠い、あるいは通うのが難しくなったことにあります。同じ理由をくり返さないために、ご自身やお子さんの生活圏から無理なく行ける場所かどうかを見てください。駐車場の有無、坂や階段、車椅子でお参りできるかどうかも、十年先を考えると効いてきます。
あとから費用が増えるかどうか
申し込みのときの金額だけでなく、年ごとにかかるものがあるかを確かめます。管理費や護持会費がある場合は、それも含めて総額を見ておくと、ご家族に引き継ぐときに説明しやすくなります。
誰が、いつまで供養を続けるのか
「永代」という言葉は「永久」という意味ではなく、寺院や霊園が続くかぎりお預かりする、という意味で使われています。個別安置の年数、そのあとの扱い、年忌やお盆・お彼岸のお勤めがあるかどうかを、申し込む前に確認しておくとよいでしょう。永代供養の基本については永代供養とは?わかりやすく、初めての方へ費用と流れを知るでも書いています。和歌山で形と費用を見比べたい方は永代供養を和歌山で比べるとき、形の違いと費用の見方が分かりますもあわせてご覧ください。
ご親族への相談は、決める前に
墓じまいで最も後になって問題が出やすいのが、ご親族との行き違いです。お墓は一人のものではなく、そこにお参りしてこられた方がほかにもいらっしゃいます。先に契約や工事の日取りを決めてから伝えると、話が感情のもつれに変わってしまうことがあります。
伝える順番としては、今のお墓に関わってこられた方(ご兄弟、故人の配偶者、分家のご親族など)に、なぜ墓じまいを考えているのかという理由から話すことです。お参りが難しくなった事情、将来お世話をする人がいないこと、そのうえでご先祖様のご供養をどう続けるつもりかを、具体的に示します。「なくす」のではなく「続け方を変える」という説明のしかたのほうが、受け止めていただきやすい傾向があります。
今の菩提寺へも、早い段階でお伝えください。長くお勤めいただいた関係を閉じることになりますので、事後報告にならないようにします。お墓参りに行けない年の考え方はお彼岸のお墓どうする|行けない年の供養と段取りが分かりますでも触れています。
当山でお受けしている、墓じまい後のご供養
当山(和歌山市新堀東の覚王山 妙宣寺)では、墓じまいのあとのご供養をお受けしています。はじめにお断りしておきますと、石材の撤去や行政手続きの代行は当山では扱っておりません。当山がお受けするのは、取り出されたご遺骨のご供養です。
| ご供養の形 | ご供養料 | 内容 |
|---|---|---|
| 墓じまい後のご先祖様の永代供養 | 1家分 20万円 | お一家のご遺骨をまとめてお預かりし、ご供養します |
| 納骨のみ | 10万円 | 納骨のお勤めをいたします |
| 永代供養 | 15万円 | 毎月の命日のご供養とお彼岸・お盆のご供養が付いております。お骨は10年間は個別に安置し、その後合祀します。 |
| 永代供養(年忌供養付き) | 17年 23万円/33年 33万円/50年 50万円 | その年数まで個別に安置し、お彼岸とお盆の施餓鬼供養(せがきくよう。広くご霊位に施しを回す法要)、ご命日と各年忌のご供養が付きます |
| 合祀供養 | 5万円 | すぐに合祀し、過去帳(お名前とご命日を記す帳面)に記してご供養します |
| のうこつぼ | 一室 50万円から(管理費(護寺会費)年3,000円) | 永代供養が付いた集合型の納骨墓です |
のうこつぼの管理費(護寺会費)(年3,000円)を除き、お申し込みのあとに年会費・寄付金・管理費はいただいておりません。のうこつぼはお骨の大きさや数に制限がなく、一室の費用はお一人でもご家族でも同じです。墓じまいでご遺骨がまとまって出た場合にも、そのままお納めいただけます。血縁は問いませんので、ご家族以外の方とも、ペットともご一緒に納められます。
納骨堂に安置している間のご遺骨は、それぞれの年数が終わるまで返還できますが、埋葬後の返還はできません。この点はお申し込み前にご確認ください。宗旨・宗派・国籍は問いません。当山は日蓮宗の寺院ですが、他宗派の方もお申し込みいただけます。お納めしたお骨には月命日にお読経をあげ、日々のご回向(えこう。お経の功徳をお向けすること)を欠かしません。
お参りの時間は制限しておらず、お花・お菓子・飲み物など、好きなものをお供えいただけます。バリアフリーに配慮しており、車椅子でもお参りいただけます。和歌山バス「堀止」下車、東へ徒歩約5分。駐車場は25台です。受付は7:00〜18:00、電話は073-422-7968。ご相談・ご見学は予約制で、住職が他の勤めに出ていることがありますので、お越しになる前に一度お電話をいただけますと確実です。生前のご相談・お申し込みもお受けしています。
よくあるご質問
墓じまいをしたあと、ご遺骨は必ず合祀になりますか。
お墓から別の場所へご遺骨を移すのに、許可はいりますか。
墓石の撤去もお寺に頼めますか。
宗派が違っても、墓じまい後のご供養をお願いできますか。
いったん納めたご遺骨を、あとから返してもらうことはできますか。
ご相談・ご予約
ご相談・ご見学は、お電話(073-422-7968/受付 7:00〜18:00)またはフォームからお受けしています。住職 蘆田恵教が直接お受けします。
ご不明な点は、そのままお尋ねください。無理におすすめすることはありません。