2026.10.13

お供えの花とお菓子|お墓参りと仏前での選び方と下げ方

覚王山 妙宣寺です。お墓や仏前にお供えする花とお菓子は、花はとげや強い香りがなく日持ちのする生花を、お菓子は個包装で常温に強いものを選び、お参りが済んだら下げて持ち帰り、おさがり(お供えを下げて家族でいただくこと)にするのが基本の形です。ここでは、花屋さんやお菓子売り場で迷わないための見分け方と、お墓参り・お仏壇・法事それぞれの違いをまとめます。

お供えの花とお菓子、まず押さえる基本

お供えは、み仏さまとご先祖さまへ差し上げるものであると同時に、手を合わせる方の気持ちを形にするものです。花は「供花(くげ・きょうか)」、食べ物は「供物(くもつ)」と呼ばれ、どちらも長く続いてきたお参りの作法です。

選ぶときの軸は三つです。ひとつめは、傷みにくいこと。屋外のお墓も、ご自宅のお仏壇も、置いた場所の温度や日当たりで傷み方が変わります。ふたつめは、ほかの方のお参りの妨げにならないこと。香りの強すぎるものや、こぼれやすいものは避けます。みっつめは、下げたあとに困らないこと。お供えしたものは下げていただくのが本来の形ですので、持ち帰って家族で分けられる形がいちばん無理がありません。

この三つを押さえていれば、花の種類やお菓子の銘柄に厳密な決まりはありません。故人が好きだったものを選んでいただいて差し支えありません。

お供えの花の選び方

お供えの花の選び方と避けたい花をまとめた図

避けたほうがよいとされる花

供花はみ仏さまやご先祖さまたちに捧げる花ですからトゲや毒のあるのはふさわしくありません。古くからお供えに向かないとされてきた花には、理由があります。

避けたほうがよいもの 理由
とげのある花(バラ、アザミなど) 手を傷つけることがあり、掃除や水替えの妨げになるため
毒のある花(彼岸花、スイセン、キョウチクトウなど) 口にすると危ないものがあり、小さな子どもや動物が近づく場所では特に注意が必要なため
香りの強い花(ユリの一部、一部の洋花) 隣でお参りされる方の妨げになることがあるため。ユリを使う場合は花粉を取っておくと衣服や墓石を汚しません
つる性の花、茎の弱い花 花立てに収まらず倒れやすいため
散りやすい花 花びらが周囲に散り、掃除の手間になるため

ただし、これらは慣習であって禁止ではありません。故人がバラを好まれたのであれば、とげを落としてお供えすることもできます。気になるときは、本数を控えめにして持ち帰りやすくしておくと扱いやすくなります。

本数と色の整え方

仏花は、古くから三本・五本・七本といった奇数で整える習わしがあります。左右の花立てに同じ形で生けるため、同じ束を二つ用意するのが一般的です。花屋さんで「仏花を二束」と伝えれば、その形で束ねてもらえます。

色は、白・黄・紫を基調に、淡い赤や桃色を加えると落ち着いた印象になります。四十九日を迎える前は白を中心にし、それ以降は故人が好んだ色を入れてよい、という考え方をとる地域もあります。地域やご家庭の習わしが優先されますので、年長のご家族に一度伺っておくと迷いません。

季節で選びやすい花

季節 選びやすい花 気をつける点
春 キンセンカ、ストック、スターチス 日が強くなる日は水が減りやすくなります
夏 ケイトウ、グラジオラス、ヒマワリ(小ぶりのもの) 水が傷みやすい季節です。茎を短めに切ると水が上がりやすくなります
秋 小菊、リンドウ、ワレモコウ お彼岸は花屋が混み合うため、前もって頼んでおくと落ち着いて選べます
冬 菊、千両、葉牡丹 寒さに強い花は長くもちます

菊が長く使われてきたのは、花もちがよく、花びらが散りにくいためです。また古来より「邪気を払い、不老長寿をもたらす霊草」といわれ、さらには「気高さや高貴さの象徴」とされてきました。迷ったときは菊を中心にした束を選べば、どの季節でも形になります。

お供えのお菓子の選び方

日持ちと包装で選ぶ

お菓子は、次の条件に当てはまるものが扱いやすくなります。

条件 理由
個包装になっている 下げたあとに家族や親族で分けやすく、衛生面でも安心して扱えます
常温で置ける 冷蔵が必要なものは、お供えしている間に傷むおそれがあります
賞味期限に余裕がある お参りのあと、いただくまでに時間が空くことがあるためです
においが強くない 仏前やお墓のまわりに香りが残らないようにするためです
崩れにくい 持ち運びや、屋外での上げ下ろしに耐えるためです

具体的には、焼き菓子、煎餅、落雁、最中、羊羹、らくがんのような干菓子などが選ばれます。生クリームを使ったものや、果物の生菓子は、屋外のお墓参りには向きません。お仏壇にお供えする場合も、その日のうちに下げていただくつもりで用意します。

故人の好きだったものを選ぶとき

お供えは、召し上がっていただくという気持ちを表すものです。故人が好きだったお菓子があるなら、それを選んで差し支えありません。日持ちのしないものを選ぶ場合は、お参りの間だけお供えして、そのまま下げて持ち帰るとよいでしょう。缶や瓶の飲み物をお供えするときは、墓石に輪じみが残らないよう、下に半紙や懐紙を敷く方もいらっしゃいます。

なお、お酒やたばこをお供えすることを控える習わしの寺院・霊園もあります。お参り先ごとの決まりは、その墓所の掲示やお世話をされている方のご案内に沿ってください。

供えたあとはどうするか

お菓子や果物は、お参りが済んだら下げて持ち帰ります。置いたままにすると、傷んだり、鳥や小動物が荒らして散らかしたりすることがあるためです。下げたものを家族でいただくのが「おさがり」で、み仏さまからの頂きものを分け合う、という意味があります。

花は、お参り先の決まりに合わせます。花立てに生けたまま置いてよい場所もあれば、枯れたあとの片づけを避けるために持ち帰りをお願いしている場所もあります。生けて帰る場合は、花立てに水を満たし、長すぎる茎を切りそろえておくと、次にお参りする方の手間が減ります。

当山にお参りいただく場合は、お参りの時間を制限しておりません。お花・お菓子・飲み物など、お好きなものをお供えいただけます。食べ物は、お参りのあとにお下げいただくようお願いしております。

場面で変わるお供えの整え方

お墓参り・仏壇・法事でのお供えの違いを比べた図
場面 花 お菓子 そのほか
お墓参り 仏花を二束、左右の花立てに 個包装・常温のもの。下げて持ち帰る 水桶、ひしゃく、掃除道具、ごみ袋、ライターを用意
お仏壇 小ぶりの花を一対。仏壇の高さに合わせて短めに 小皿や高坏に半紙を敷いて少量を。その日のうちに下げる 水とご飯もあわせてお供えします
法事・お盆・お彼岸 いつもより改まった束に。白を中心にすると整います 人数分を分けられる個包装の詰め合わせが扱いやすい のし紙は「御供」として、水引は黒白または黄白の結び切り(地域により異なります)
お寺へ持参するとき 花は必須ではありません 日持ちする詰め合わせを、紙袋から出して手渡す 法要のお布施とは分けて包みます

法事でご親族が集まる場合、お菓子は下げたあとに皆さまで分けることが多いものです。人数より少し多めの個数があると、分けるときに気を使わずにすみます。

予算と当日の支度

花とお菓子にいくらかけるかは、決まりがありません。毎月のお参りなら無理のない範囲の仏花で十分ですし、年忌法要や初盆のように人が集まる日は、少し改まった束にする、という考え方で整えられます。お彼岸やお盆は花屋が混み合い、品数も限られますので、いつもの花が欲しい場合は前もって頼んでおくと落ち着いて選べます。

当日の持ち物としては、花とお菓子のほかに、ごみ袋、半紙か懐紙、手を拭くもの、お線香とライターがあると困りません。屋外のお墓では、花ばさみがあると茎の長さを調えられます。

お参り先の作法や当日の流れが気になる方は、日蓮宗の寺を初めて訪ねるとき、お参りの作法と確かめる点もあわせてご覧ください。

当山にお参りいただく方へ

当山は和歌山市の市街地にあり、和歌山バス「堀止」から東へ徒歩約5分、駐車場は25台ございます。バリアフリーに配慮しておりますので、足腰に不安のある方や車椅子の方もお参りいただけます。受付は7時から18時までで、お電話は073-422-7968です。住職が他の勤めに出ていることがありますので、お越しの前に一度お電話をいただけますと確実です。

永代供養の納骨墓(のうこつぼ)にお納めの方も、お花やお菓子をお供えいただけます。納めたご遺骨には月命日にお読経をあげ、日々のご回向(お経をあげてその功徳を故人に差し向けること)を欠かしておりません。

道順や駐車場の位置は和歌山のお寺へバスでの行き方|初めての方への堀止下車後の道順にまとめています。

よくあるご質問

お墓にお供えした花とお菓子は、持ち帰るべきですか。
お菓子や果物などの食べ物は、お参りが済んだら下げて持ち帰るのが基本です。置いたままにすると傷んだり、鳥や小動物が荒らして散らかしたりすることがあるためです。下げたものを家族でいただくことを「おさがり」といいます。花は、生けたまま置いてよい墓所と、持ち帰りをお願いしている墓所があり、その場所の決まりに合わせます。覚王山 妙宣寺にお参りいただく場合は、お花・お菓子・飲み物などお好きなものをお供えいただけます。食べ物はお参りのあとにお下げください。
お供えに向かない花はありますか。
古くから、とげのある花(バラ、アザミなど)、毒のある花(彼岸花、スイセン、キョウチクトウなど)、香りの強い花、つる性で花立てに収まりにくい花、花びらの散りやすい花は避けるとされてきました。手を傷つける、口にすると危ない、隣でお参りする方の妨げになる、掃除の手間になる、といった理由からです。禁止ではありませんので、故人が好まれた花であれば、とげを落とすなど手を入れてお供えして差し支えありません。
お供えのお菓子は、箱のまま置いてよいですか。
お仏壇では、箱から出して小皿や高坏に半紙を敷き、少量を盛ってお供えする形が一般的です。お墓では、個包装のまま置き、お参りのあとに下げて持ち帰ります。法要でお寺へお持ちする場合は、紙袋や風呂敷から出して箱のまま手渡します。いずれの場合も、個包装で常温に置けて、賞味期限に余裕のあるお菓子を選んでおくと扱いやすくなります。
造花をお供えしてもかまいませんか。
かまわないとする考え方と、生花が望ましいとする考え方の両方があります。生花が尊ばれてきたのは、咲いて枯れる姿そのものが移ろいを表すと受け止められてきたためです。一方で、遠方でお参りの間隔が空く方や、夏場に水の管理が難しい方が造花を用いることもあります。墓所によっては造花を控えるよう定めているところもありますので、その場所の決まりに沿ってお選びください。
法事に持っていくお供えののし紙は、何と書けばよいですか。
表書きは「御供」または「御仏前」とし、下段に名字を書くのが一般的です。水引は結び切りを用い、色は黒白のほか、関西では黄白を使う地域もあります。花とお菓子の両方を持参しなければならない決まりはなく、どちらか一方でも差し支えありません。ご親族で集まる法要では、下げたあとに分けられるよう、人数より少し多めの個包装の詰め合わせを選んでおくと扱いやすくなります。

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