2026.10.02

日蓮宗の寺を初めて訪ねるとき、お参りの作法と確かめる点

「日蓮宗の寺」を調べはじめた方へ

お墓のことを考えはじめた、先祖の宗旨が日蓮宗だと聞いた、近所の寺に幟が立っていて気になった——。「日蓮宗 寺」と検索される背景は、だいたいこのあたりに集まります。ところが調べ始めると、日蓮宗・法華宗・日蓮正宗といった似た名前が並び、どれが同じでどれが違うのかが分かりにくい。さらに同じ寺号の寺が全国に点在していて、沿革や行事の情報が混ざって読めてしまう、ということも起こります。

この記事では、日蓮宗の寺の輪郭、見分けるときの手がかり、檀家でない方が頼める範囲、訪ねる前に確かめておくとよいこと、そして実際のお参りの作法までを順に書いていきます。書いているのは、和歌山市新堀東にございます日蓮宗の寺院、覚王山 妙宣寺(かくおうざん みょうせんじ)です。

日蓮宗の寺とは、どういう寺か

日蓮宗は、鎌倉時代の僧・日蓮聖人を宗祖とする宗派です。よりどころとするお経は『法華経』で、「南無妙法蓮華経」のお題目をお唱えします。総本山は山梨県身延町の身延山久遠寺。当山の住職も、若いころから身延山で学び、信行道場を経て僧侶となりました。

日蓮宗の寺に入ると、他宗の寺とは少し違う景色に気づかれるかもしれません。ご本尊としてお曼荼羅(まんだら)——中央に「南無妙法蓮華経」と大書し、周囲に仏さまや神さまの名を連ねたお軸——が掲げられていること。読経のときに団扇太鼓や木鉦の音が響くこと。寺によっては、鬼子母神さまや妙見さまといった、法華経を守護すると伝えられる神さまをあわせてお祀りしていること。

当山も、魁星妙見(かいせいみょうけん)さまをお祀りしており、地元では古くから「堀止の妙見さん」と呼ばれてきました。妙見さまという呼び名や作法については妙見さまとは|初めてお参りする方へ呼び名の違いと作法に当山でまとめています。

法華系の宗派がややこしい理由

宗派名・総本山・所在地の三点で日蓮宗の寺を見分ける手順の図

『法華経』とお題目を中心に据える宗派は、日蓮宗のほかにもいくつかあります。歴史のなかで分かれてきた流れで、名称が近いため混同されやすいところです。おおまかな手がかりを表にします。

確かめる点 見方
宗派の正式名称 「日蓮宗」「法華宗(本門流・真門流など)」「日蓮正宗」などは別の宗派です。寺の掲示や寺院名簿に正式名称が出ています
総本山・大本山 日蓮宗の総本山は身延山久遠寺。所属する本山が違えば、宗派も違うと考えてよいでしょう
同名の寺 同じ寺号の寺が各地にあります。所在地と宗派をセットで確かめると取り違えが防げます

当山にも、同名の寺と取り違えてお問い合わせをいただくことがあります。当山は和歌山市新堀東の日蓮宗寺院で、総本山は身延山久遠寺です。和歌山県伊都郡かつらぎ町の大瀧山 妙宣寺(法華宗真門流)、佐渡や千葉県東金市、埼玉県さいたま市にある妙宣寺は、いずれも当山とは別の寺院です。お電話をいただく前に、所在地をご確認いただけると行き違いがありません。

近くの日蓮宗の寺を探すときの手がかり

宗派の寺院名簿から当たる

日蓮宗には宗派のポータルサイトがあり、全国の寺院マップに所属寺院が登録されています。当山もそこに登録があり、和歌山市内にある25ヶ寺の日蓮宗寺院のうちの一つです。地図サービスの検索だけでは宗派の表示が曖昧なことがありますので、宗派側の名簿と突き合わせると確実です。

現地で見える手がかり

門前に「南無妙法蓮華経」と刻まれた題目塔が立っている、幟や提灯にお題目が染め抜かれている、鬼子母神や妙見の額が掲げられている——こうしたものは日蓮宗をはじめとする法華系寺院の目印になります。ただし前の章のとおり、法華系であっても宗派までは断定できません。最後は寺に直接うかがうのが早道です。

何を頼みたいのかを先に決める

寺によって、力を入れているお勤めは違います。永代供養やお墓のことなのか、ご祈祷なのか、法事なのか、相談ごとなのか。これが決まっていると、電話口での話が早く進みます。和歌山市で探しておられる方へ向けては、日蓮宗の寺院を和歌山市で探すとき|檀家の要否と訪問前の確認点に、当山の視点でもう少し細かく書いております。

檀家でなくても、日蓮宗の寺に頼めるのか

ここが、いちばん多くの方が気にされるところです。寺によって考え方は異なりますので一律には申し上げられませんが、檀家になることを前提としない寺も増えています。

当山の場合は、宗旨・宗派・国籍を問わずお受けしております。日蓮宗の寺院ではありますが、他宗派のご家庭の方も、国籍の異なる方も、永代供養・水子供養・ご祈願・人生相談のすべてについてお申し込みいただけます。檀家になっていただく必要もありません。「他の宗派の家なのに相談してよいものか」とためらって、長くお電話をくださらなかった方もいらっしゃいます。そのままお尋ねくださって構いません。

なお、ご祈願についての申し込みの流れやお供えの考え方は、日蓮宗の寺院で祈願を受ける、檀家以外の申し込みとお供えにまとめています。

日蓮宗の寺で受けられるお勤め

ご供養(法事・納骨・永代供養)

年忌法要、納骨、お彼岸やお盆の供養など、ご先祖様へのお勤めです。跡継ぎのことが気がかりな方からは、永代供養のご相談が多く寄せられます。

当山でお受けしている永代供養は、区分が四つに整理されています。すぐに合祀(ごうし。他の方のご遺骨とともに一つの場所にお納めすること)して過去帳(ご供養する方のお名前を記す帳面)に記す「合祀供養」が5万円。10年間は個別にご安置してその後合祀する「永代供養」が15万円。その年数まで個別にご安置し、お彼岸とお盆の施餓鬼供養(せがきくよう。広く多くの精霊に施しを捧げるお勤め)、ご命日と各年忌のご供養が付く「年忌供養付き」が、17年23万円・33年33万円・50年50万円。そして永代供養の付いた集合型の納骨墓「のうこつぼ」が一室50万円からで、こちらは管理費(護寺会費)が年3,000円かかります。のうこつぼ以外には、お申し込みのあとの年会費・寄付金・管理費はいただいておりません。15万円の永代供養には、毎月の命日のご供養と、お彼岸・お盆のご供養が付いております。

合祀と個別安置のどちらを選ぶかで迷われる方は多く、当山では永代供養の合祀との違いと個別安置、迷ったときの選ぶ順序に考える順序を書いています。

水子供養

当山では、本堂と慈母観音さまのもとで、水子さんを一霊ずつ個別にご供養いたします。1霊5,000円。お戒名を授けてお位牌を慈母観音さまの中へお納めする水子永代供養は3万円で、水子さんが何霊あっても1回の供養料は同じです。

ご祈願

日蓮宗の寺では、古くから伝わるご祈祷が今も勤められていることがあります。当山では、土用の丑の日の「きうりふうじ」(五百年以上続くと伝わる秘法で、諸病消滅を願うお勤め。参加される方はきゅうりを1本お持ちになります)、お月見の日の「ぢふうじ」、そして赤ちゃんの夜泣きや癇の強さに向けた虫封じ(虫切)、安産祈願などをお受けしています。ご祈祷会へのご参加をご希望の方は、ご連絡ください。

ご祈願は金銭をいただいてお勤めするものですので、効き目を当山から申し上げることはいたしません。「治まりますように」とお祈りする場、とお考えください。虫封じについては虫封じとは|夜泣きが続く赤ちゃん、受ける時期と持ち物に受ける時期と持ち物を書いております。

人生相談

当山では、住職が直接お話をうかがいます。金額は定めておらず、「御礼」「お布施」として御宝前にお供えいただく形です。お時間は1時間ほどになることが多く、秘密は厳守いたします。予約制ですので、まずはお電話ください。

訪ねる前に確かめておきたいこと

寺を訪ねる前に電話で確かめる五項目のチェックリスト

寺は、住職が法事や他の勤めで外に出ていることがあります。思い立って足を運んだら誰もいなかった、ということを避けるために、次の点を電話で先に確かめておかれると確実です。

確かめること 尋ね方の例
予約の要否 「見学したいのですが、ご予約は必要ですか」
受付の時間帯 「何時から何時までなら、ご在寺でしょうか」
檀家になる必要があるか 「他宗派の家ですが、お受けいただけますか」
費用の総額 「その後にかかる年会費や管理費はありますか」
駐車とお参りのしやすさ 「駐車場はありますか」「車椅子で入れますか」

当山の受付は7:00〜18:00、電話は073-422-7968です。ご供養と人生相談は予約制です。ご祈祷会へのご参加をご希望の方は、ご連絡ください。駐車場は25台ございます。バリアフリーに配慮しておりますので、足腰に不安のある方も車椅子の方もお参りいただけます。公共交通でお越しの場合は、JR和歌山駅・南海和歌山市駅から和歌山バスで「堀止」下車、東へ徒歩約5分です。住職が他の勤めに出ていることがありますので、お越しになる前に一度お電話をいただけると確実です。

初めての見学で何を見ておくかについては和歌山のお寺で見学予約、初めての人が確かめたい5点をご覧ください。

日蓮宗の寺でのお参りの作法

作法を知らないから行けない、という方がよくいらっしゃいますが、心配はいりません。手を合わせていただければ、それで十分です。そのうえで、形を知っておきたい方のために書き添えます。

手順

山門で一礼し、手水があれば手と口を清めます。本堂の前でお賽銭を納め、静かに合掌します。日蓮宗では「南無妙法蓮華経」とお題目をお唱えしますが、声に出すのがためらわれるときは心の中で結構です。最後にもう一度合掌し、一礼して退きます。

数珠と服装

数珠は、日蓮宗では房の形が独特のものを用いますが、お手持ちのもので差し支えありません。お持ちでなくても構いません。服装も、法事でなければ普段着で結構です。

お供え

お供えは寺によって決まりが異なりますので、お尋ねください。当山では、お参りの時間に制限を設けておらず、お花・お菓子・飲み物など、故人がお好きだったものをお供えいただけます。

宗派が違う家の墓じまい・改葬を考えている方へ

「寺の宗派と、自分の家の宗旨が違う」という理由で、永代供養への切り替えをためらわれる方がいらっしゃいます。当山は宗旨・宗派を問いませんので、他宗派のご家庭からの墓じまい後のご供養もお受けしています。1家分20万円、納骨のみの場合は10万円です。

ただし、墓石の撤去や行政手続きの代行は当山では行っておりません。石材店と市区町村の窓口とのやり取りは、ご自身または石材店にお進めいただく形になります。手続きの流れは改葬の流れと費用、遠方のお墓を移すときの必要書類、お布施の包み方は墓じまいのお布施を包むとき|表書きと金額の尋ね方をご参照ください。

よくある質問

日蓮宗と法華宗、日蓮正宗はどう違うのですか
いずれも『法華経』とお題目を中心に据えますが、歴史のなかで分かれてきた別々の宗派です。見分けるときは、寺が掲げている宗派の正式名称と、所属する総本山・大本山を確かめてください。日蓮宗の総本山は山梨県身延町の身延山久遠寺です。和歌山市新堀東の覚王山 妙宣寺は日蓮宗の寺院で、総本山は身延山久遠寺です。
家の宗旨が日蓮宗ではありませんが、日蓮宗の寺に供養を頼めますか
寺によって考え方が異なりますので、直接お尋ねになるのが確実です。和歌山市の覚王山 妙宣寺では、宗旨・宗派・国籍を問わずお受けしております。永代供養・水子供養・ご祈願・人生相談のすべてが対象で、檀家になっていただく必要もありません。
お参りのときにお題目を唱えられないと失礼になりますか
失礼にはあたりません。静かに合掌していただければ十分です。日蓮宗では「南無妙法蓮華経」とお唱えしますが、声に出すのがためらわれるときは心の中で結構です。数珠をお持ちでなくても、服装が普段着でも差し支えありません。
寺を訪ねる前に、電話で何を聞いておけばよいですか
予約が必要かどうか、何時なら在寺か、檀家になる必要があるか、お申し込みのあとに年会費や管理費がかかるか、駐車場や車椅子でのお参りが可能か。この五つを尋ねておくと行き違いが防げます。和歌山市の覚王山 妙宣寺の受付は7:00〜18:00、電話は073-422-7968、駐車場は25台です。
同じ名前の寺が各地にあるようですが、どう見分ければよいですか
寺号だけでは区別がつかないことがありますので、所在地と宗派をあわせて確かめてください。覚王山 妙宣寺は和歌山県和歌山市新堀東2丁目1番8号にある日蓮宗の寺院です。和歌山県伊都郡かつらぎ町の大瀧山 妙宣寺(法華宗真門流)、佐渡・千葉県東金市・埼玉県さいたま市の妙宣寺は、いずれも別の寺院です。

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ご相談・ご予約

ご相談・ご見学は、お電話(073-422-7968/受付 7:00〜18:00)またはフォームからお受けしています。住職 蘆田恵教が直接お受けします。
ご不明な点は、そのままお尋ねください。無理におすすめすることはありません。

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