2026.10.09

日蓮宗の寺院での永代供養|継ぐ人がいないときの5つの確認点

「お墓を継ぐ人がいない」「子や孫に負担を残したくない」とお考えになって、はじめて永代供養という言葉を調べはじめた方から、よくお電話をいただきます。なかでも多いのが、「もともと日蓮宗なので、できれば日蓮宗の寺院にお願いしたい。でも何を基準に選べばよいのか分からない」というご相談です。

永代供養は、形も年数も費用の立て方も寺院ごとに違います。ここでは、日蓮宗の寺院に永代供養をお願いするとき、どこを見て、何を尋ねればご自分で判断できるのかを順にまとめます。当山(和歌山市新堀東の覚王山 妙宣寺)は日蓮宗の寺院で、永代供養とのうこつぼをお受けしています。

日蓮宗の寺院にお願いする永代供養とは

永代供養とは、お墓を守るご家族に代わって、寺院がご供養を引き受け続ける形のことです。お墓の承継者(跡を継ぐ人)がいることを前提にしないため、お一人でお暮らしの方、ご家族が遠方にお住まいの方、お子さんに墓守の役目を残したくない方が選ばれます。

日蓮宗の寺院では、法華経の読誦とお題目「南無妙法蓮華経」を中心にお勤めをします。ご回向(えこう。お勤めの功徳を故人やご先祖様に差し向けること)も、この形で勤めます。宗派によってお唱えするお経やお念仏が異なりますので、「お参りに行ったときに自分がなじんできた声明やお経であるか」は、実際に足を運んで確かめられる点です。

当山は寛永年間(1624〜1644年)の創立で、総本山は山梨県の身延山久遠寺です。お納めいただいたお骨には月命日にお読経をあげ、日々のご回向を欠かしません。永代供養で大切なのは、お納めしたあとに何がどれだけ続くのかという一点に尽きます。

「永代」は「永久に個別」という意味ではない

個別安置から合祀へ移るまでの流れと、返還できる期間を示した図

ここが、調べはじめの段階でいちばん行き違いの起きるところです。永代供養という言葉は「永代にわたってご供養を続ける」という意味であって、「お骨をいつまでも個別のままお預かりする」という意味ではありません。

多くの寺院では、一定の年数は骨壺のまま個別に安置し、その年数を過ぎたら合祀(ごうし。複数の方のお骨をひとつの場所にまとめてお納めすること)に移します。合祀のあとも、お寺がご供養を続けます。つまり確かめるべきは、次の三つです。

  • 個別に安置する年数は何年か
  • その年数が過ぎたあと、お骨はどこへ移るのか
  • 移ったあとも、どのようなご供養が続くのか

また、はじめから合祀でお納めする形を選ぶこともできます。費用は抑えられますが、合祀のあとはお骨を取り出すことができません。ご家族のなかに「あとで改葬したくなるかもしれない」というお気持ちが少しでも残っている場合は、個別安置の期間がある形を選んでおくほうが無理がありません。

当山では、納骨堂に安置している間のご遺骨は、それぞれの年数が終わるまで返還できます。埋葬後の返還はできません。この線引きは寺院ごとに違いますので、申し込む前に必ず尋ねてください。

費用は「総額」と「あとから続くもの」の二つで見る

永代供養の費用で迷う原因は、金額の大小そのものより、どこまでが含まれているのかが分かりにくいことにあります。見るべきは次の二つです。

一つめは、申し込みのときに納める総額。お骨をお納めする費用のほかに、刻銘(お名前を石や銘板に刻むこと)の費用、戒名を授かる費用、納骨法要のお布施などが別立てになっていることがあります。それぞれ別の費目なのか、一式に含まれるのかを確かめます。

二つめは、納めたあとに続けて納めるもの。管理費、護持会費、年会費、寄付など、毎年かかるものがあるかどうかです。ここは金額の多寡より、「あるかないか」「あるなら誰が払い続けるのか」を先に確かめておきたいところです。跡を継ぐ人がいないからこそ永代供養を選ぶのに、毎年の支払いを誰かに託さなければならない形では、目的と噛み合わなくなります。

永代供養の費用は何でできているのかという内訳の考え方は、永代供養の相場の感覚、初めて調べる方へ4つの内訳にまとめています。

当山でお受けしている形と費用

形 費用 内容
永代供養 15万円 お骨は10年間は個別に安置し、その後合祀します。毎月の命日のご供養と、お彼岸・お盆のご供養が付きます
永代供養(年忌供養付き) 17年 23万円/33年 33万円/50年 50万円 その年数まで個別に安置し、お彼岸とお盆の施餓鬼供養(せがきくよう。一番厚い供養)、ご命日と各年忌のご供養が付きます
合祀供養 5万円 お骨は合祀し、過去帳(お亡くなりになった方のお名前や命日を記す帳面)に記してご供養します
墓じまい後のご先祖様の永代供養 1家分 20万円/納骨のみ 10万円 墓じまいのあとのご供養としてお受けします
のうこつぼ 一室 50万円から 永代供養が付いた集合型の納骨墓です。管理費(護寺会費)が年3,000円かかります

お申し込みのあとに年会費・寄付金・管理費はいただきません。なお、墓石の撤去や行政手続きの代行は扱っておりません。お受けするのは、墓じまいのあとのご供養です。

宗旨・宗派が違うとき、檀家にならなければいけないのか

「実家は浄土真宗だが、縁のある日蓮宗の寺院にお願いしてよいのか」「檀家にならないと断られるのではないか」。この二つも、よくいただくご質問です。

結論から申しますと、寺院によって扱いが分かれます。檀家になることを条件とする寺院もあれば、宗旨・宗派を問わずお受けする寺院もあります。尋ね方としては、「宗旨・宗派は問われますか」「檀家にならずにお願いできますか」「法要のときのお経は貴院の宗派のもので勤められますか」と、三つに分けて聞くと行き違いが起きません。三つめは意外と見落とされますが、お納めしたあとのお勤めは、お願いした寺院の宗派の形で勤められるのが通例です。

当山は、宗旨・宗派・国籍を問わずお申し込みいただけます。これは永代供養・水子供養・ご祈願・人生相談のすべてに及びます。日蓮宗の寺院ですので、お勤めは法華経とお題目で勤めます。檀家になっていただく必要はありません。

はじめて日蓮宗の寺院を訪ねるときの作法や、その場で確かめておきたいことは日蓮宗の寺を初めて訪ねるとき、お参りの作法と確かめる点に書いています。

納骨墓(のうこつぼ)という選び方

永代供養を調べていくと、合祀の供養塔とは別に、集合型の納骨墓という形に行き当たります。墓石を建てずにお納めでき、区画の草取りや石の手入れが要らないのが特徴です。跡を継ぐ人がいなくても、無縁墓になる心配がありません。

この形を検討するときに確かめたいのは、お骨の数や骨壺の大きさに制限があるか、ご夫婦やご家族で入る場合に費用が変わるか、ご家族以外の方やペットと一緒に納められるか、そして利用する期間が終わったあとどうなるか、の四点です。

当山の納骨墓は、お骨の大きさや数に制限がなく、一室の費用はお一人でもご家族でも同じです。ご家族以外の方とも、ペットとも一緒にお納めいただけます。血縁は問いませんので、ご友人同士でも、おひとりさま同士でもお入りいただけます。利用する期間はご自分で決めていただき、そのあとは永代供養塔でご供養を続けます。

お一人でこれから先のことを決めていく場合の考え方は、おひとりさまの終活と供養|頼る人がいないときに決める4つもあわせてご覧ください。

決める前に確かめたい5点

永代供養を決める前に確かめたい5つの項目のチェックリスト

寺院の一覧を眺めて選ぶより、次の5点をそのまま尋ねていくほうが、ご自分に合うかどうかがはっきりします。

1. 個別に安置する年数と、そのあとの行き先

何年個別で、そのあとどこへ移るのか。移ったあともご供養が続くのか。返還できるのはいつまでか。

2. 総額に含まれるご供養の中身

年に何度のお勤めがあるのか、命日のご供養は付くのか、刻銘や戒名は別の費目か。「ご供養します」という言葉だけで終わらせず、いつ・どのようなお勤めがあるのかまで聞きます。

3. あとから続けて納めるものの有無

管理費・護持会費・寄付の有無と、その金額。あるなら、どなたが納め続けるのかを一緒に考えておきます。

4. 宗旨・宗派と檀家の条件

お受けの条件と、お勤めの宗派。ご家族のなかに別の宗派を大切にしている方がいる場合は、先にお伝えしておくと話が早く進みます。

5. お参りのしやすさ

お参りできる時間に制限はあるか、お花やお菓子をお供えできるか、交通手段と駐車場、足腰に不安のある方が上がれるか。永代供養は、残る方がお参りを続ける場所でもあります。

当山は、お参りの時間を制限しておりません。お花・お菓子・飲み物など、好きなものをお供えいただけます。バリアフリーに配慮しており、車椅子でもお参りいただけます。和歌山バス「堀止」で下車して東へ徒歩約5分、駐車場は25台です。道順と駐車の目安はアクセスのご案内に書いています。

相談から納骨までの流れ

はじめての方は、おおよそ次の順に進みます。

  1. 電話かフォームで相談の予約をする。いまお骨が手元にあるのか、これからのことを決めておきたいのかを伝えます。
  2. 見学し、形と年数を決める。実際にお参りする場所を見て、安置の年数とご供養の中身を確かめます。
  3. お申し込み。必要な書類を確かめます。すでに別のお墓に納められているご遺骨を移す場合は、改葬許可の手続きが要ります。
  4. 納骨の日を決め、お勤めをする。

遠方のお墓からお移しになる場合の書類と順序は改葬の流れと費用、遠方のお墓を移すときの必要書類に、見学の前に手元で整理しておきたいことは和歌山のお寺で見学予約、初めての人が確かめたい5点にまとめました。

当山は永代供養の生前のご相談・ご契約もお受けしています。ご相談と人生相談は予約制で、住職が直接うかがいます。受付は7:00〜18:00、電話は073-422-7968です。住職が他の勤めに出ていることがありますので、お越しになる前に一度お電話をいただけますと確実です。

迷っている段階でお越しになって構いません。年数も形も、ご自分とご家族の事情に合わせて決めていくものです。まずは上の5点を書き出して、ひとつずつ確かめるところから始めてみてください。

よくあるご質問

日蓮宗以外の宗派ですが、日蓮宗の寺院に永代供養をお願いできますか。
寺院によって条件が異なり、檀家になることを求める寺院もあれば、宗旨・宗派を問わずお受けする寺院もあります。お勤めはお願いした寺院の宗派の形で勤められるのが通例ですので、その点もあわせてお尋ねください。覚王山 妙宣寺は、宗旨・宗派・国籍を問わずお申し込みいただけます。檀家になっていただく必要はなく、お勤めは日蓮宗の形で、法華経とお題目で勤めます。
「合祀」と「永代供養」は何が違うのですか。
合祀とは、複数の方のお骨をひとつの場所にまとめてお納めすることをいいます。永代供養は、ご家族に代わって寺院がご供養を続ける形そのものを指す言葉で、はじめから合祀する形と、一定の年数は個別に安置してから合祀する形があります。覚王山 妙宣寺では、すぐに合祀する合祀供養が5万円、10年間は個別に安置する永代供養が15万円で、15万円には毎月の命日のご供養と、お彼岸・お盆のご供養が付きます。
納めたあとに、毎年かかる費用はありますか。
管理費や護持会費が毎年かかるかどうかは寺院ごとに異なりますので、申し込む前に有無と金額を確かめてください。覚王山 妙宣寺では、のうこつぼの管理費が年3,000円かかります。それ以外のご供養については、お申し込みのあとに年会費・寄付金・管理費はいただきません。
生前に自分で申し込んでおくことはできますか。
覚王山 妙宣寺では、永代供養の生前のご相談・ご契約をお受けしています。お墓を継ぐ方がいない場合や、ご家族に決めごとを残したくない場合のご相談をお受けしています。ご相談は予約制で、住職が直接うかがいます。受付は7:00〜18:00です。
集合型の納骨墓に、家族以外の人やペットと一緒に入ることはできますか。
寺院や霊園によって扱いが分かれますので、血縁の条件とお骨の数の上限を確かめてください。覚王山 妙宣寺の納骨墓は、お骨の大きさや数に制限がなく、一室の費用はお一人でもご家族でも同じです。ご家族以外の方とも、ペットとも一緒にお納めいただけます。血縁は問いません。

コラム一覧へ

ご相談・ご予約

ご相談・ご見学は、お電話(073-422-7968/受付 7:00〜18:00)またはフォームからお受けしています。住職 蘆田恵教が直接お受けします。
ご不明な点は、そのままお尋ねください。無理におすすめすることはありません。

お電話で相談(受付 7:00〜18:00) フォームで相談